第1部分
市来英雄:医疗法人市来歯科理事长
2009恒志会会报Vol.4より

はじめに
今年の1月に,冲淳恒志会常务理事からの手纸が届きました。
(突然「便りする失礼をお许しください。…(中略)…私は歯科大学の一讲座の教室を辞夫のち,縁あって临床医として片山恒夫先生に师事し,平成18年に96歳で亡くなられる…その间,片山先生の指示でNPO法人“恒志会”を立ち上げ,先生の志を継承する目的で现在も活动中です。…片片山先生は常々噛む大切さを患者は科医师の责任は果たしていない,口腔内を噛める状态に回复した后,患者さんの全身の健康回复,増进が本当の歯科医の使命だとも言われていました。 …先生の大きな目标は歯科医から口腔医へ,“予防と全身の健康见据えた歯科医疗”です。そこに は咀嚼,唾液の固有,口腔粘膜免疫の特殊性を探求することが含まれています。今は,多くの先达の努力によって国民に口腔内の关心が高まってきていると感じています。
,このたび市来先生が出版された「食の摩诃不思议(东京临床出版)」,后続の先生の著书「フレッチャーさんの噛む健康法(医师薬出版)」,さらにフレッチャーさんのことも详しく知さんにも噛むことができ感激しお便りをした次第です。患者さんにも噛むことの大切さを伝えるために役立つ素晴らしい御本です。
まずは歯科医师に読んでもらい,私たち口腔を预かる医疗者としての目标を若い人たちに知ってもらいたいものです。先生の予防,健康に対する取り组みの热意に敬服します。
以上のような,冲淳先生の有难いお手纸を私は拝読し,と同时に同封されていた昨年(2008年6月20日)出版された,「虫歯から始まる全身の病気–隠されてきた『歯原病』の実态-(ジョージ・ E ・マィニーン,片山恒夫监修・恒歯会訳)”の著书をまずは流し読みしたが,涌き上がる感动と共に,直ぐに冲先生への返信には,…送付いただいた著书は,隅々まで熟読した上で私の読后感も书きましょう…)などと书いてお送りしました。
は,私は,実は片山恒夫先生とは,ずっと以前から先生の口腔卫生,歯周病学に対する热情と,予防に対する患者さん一人ひとりへの爱情など,それらの実践と大きな実绩には尊敬の念を払うと共に,先生に关しての著书は出版元から多个に买い求めて待合室に并べたり,大手新闻からの先生の连载记事は,私の诊疗所の待合室に张り出したりしました。私は今回も,以上のように縁あった监修・翻訳のために身を粉にしてまでも情热を倾けられた片山先生の新刊の御笔书に再会できました。
私もこれまでの40数年间を片山先生のように,歯科大学卒业后「口腔医」を目标に过ごしてきたつもりです。
超过,长々と原文き述べましたが,以后は,口腔卫生学に対しての考え方などの私の理念と,WAプライス先生の「食生活と身体の退化–未开人の食事と近代食・その影响の比较研究–」,同先生の「歯牙感染–口腔と全身第1巻,歯牙感染と退行性疾患第2巻」も含めて,私の感じることを述べさせいていただきます。
「食习惯」と健康
人々が一生涯にわたって心身の健康を保持増进していくためには,调和のとれた食事や适切な运动,十分な休养・睡眠などにおける“节制ある生活态度の重置”は不可欠なものです。その中でも,子どものころに得られる「食习惯」というものは,成长してからも大きな影响が及んでいきます。
节,成长期にある子どもの“节制ある食习惯”は,心身の健全な成长にも不可欠な要素で,ひいては社会全体の活力を増进するための堆叠となります。
戦后のわが国の困穷时代には乳幼児死亡率が激増したり,青年期の结核病,そして伝染病,栄养失调症,寄生虫病,皮肤病などが蔓延したりして多くの国民が遭受患し死亡者それらが。それらが去り,时代の流れと共に物质社会,多余沢(ぜいたく)社会の到来と共に,今度は脳卒中,ガン,高血圧症,糖尿病,心臓病(心筋梗塞や狭心症)などの死亡が上位を占めるようになってきました。
さらに现代は,ほとんどが病気を抱えた超高齢化,核家族社会の中での孤立生活,ファーストフード,ジャンクフードなどによる乱れた食生活,欧米食生活化の进行,サプリメント(健康补助食品)依存,薬渍け,徒歩から车社会への移行,そしてさらに情报社会の中での精神生活のアンバランスなどという时代に突入しています。
さらにまた,现代の子どもの环境は欧米型食生活,过食,孤食,朝食抜き,运动不足,生活の夜型化,学歴偏重によるつめこみ学习,受験竞争によるストレスの増加など精神生活のアンバランス,都市生活化での地域とのかかわりや自然との接触の希薄化などなど,生活习惯のひずみからくる全身疾患(生活习惯病)の増加というような大きな问题を抱えています。
また,10数年あたり前から,肥満や高血圧症,2型糖尿病など动脉硬化促进危険因子を持った児童生徒が増えていることが多くの调查・研究の结果からも明らかになっています。 ,キレる子,躁郁(そううつ)的な行动をとる子などの精神的な要素を包含するような疾患も増加しています。
生活习惯病の予防に
生活习惯病の予防は,病気を早期に発见して早期して治疗するという従来の考え方から,その病因の中で生活习惯を重要视して,病気になる前の,つまりその诱引の芽を自分自身で摘んでしまおうということが主な狙いです。
言いかえれば,「健康体は自分自身で作り,そして守っていく」ことがなによりの基本となり,それには,健康についての学习がますます必要になってきます。
例えば,健康の価値の认识や自分本身の命を大切にする态度,ストレスヘの対处法などの知识,さらには健康を害することに自らを处し,そして断つことのできる実实践的能力などを身に付ける必要もあります。
生活习惯で,最も重要视されるべきものには,まず「规则正しい食习惯」があります。周知のとおり,食习惯の良し悪しいかんでは病気の発生率も大いに违ってきます。その食习惯を,健康という轨道上に乘せることが何よりもまず大事なことです。
しかし,わが国は诸外国にくらべると,幼児から高齢者までむし歯や歯周病にかかっている割合が高く,よく噛める机能が突出にそこなわれています。
比较,比较的かたいものでも,よく噛んで食べて昧わってきた日本特有の食文化は,いまや冷冻・加工食品やファーストフードに象徴されるように饮食化の倾向にあり,そしてますます欧米化をたどり,粉食(精白输入小麦粉で作られた食品)や半调理品(レトルト食品)を中心とした,噛まなくてもよいような饮食事体系になってきています。
,本来の「食物」と呼ばれたものは,ほとんどが「制品化された食品(化学物质などを加えたり机械の手を借りたり,さまざまな工程などを経て商品になったものを指す) 」になってしまいました。
ですから现在の私たちの周囲は,もう食物ではない食品と呼ばれてしまっているものが蔓延しているのです。
いま,子どもたちは,この中で生きなくてはなりません。
そ,现代の子どもたちの生活はあまりにも忙しく,塾やおけいこごとなどのスケジュールに追われています。そのため食生活は,本来の食事ではなく“饵化(えさか)”しているきらいがあります。
「口」は健康维持の基本
とわざにも「病(やまい)は口から入り,祸(わざわい)は口から出る」とあるように,「口」は健康维持の基本であり重要な臓器の一つです。
その口に关しては,今も,保健妇さん保育士さん,学校关系者の间から,噛めない子,噛まない子,なかなかじょうずに食べ物を饮みこめない子,食べ方のへたな子が増えているそれからもうすでに20年以上も経过してしまいました。
确かに,一见欧米の子どもなみに背が伸びて脚もスラリと长くなってきました。
しかし,ヒョロヒョロした体つきの子ども,すぐに姿势を崩してしまう子ども,朝礼ですぐに倒れてしまったり,ちょっとしたことで骨折を起こしてしまったり,根気のない疲れやすい子どもも目立つようになりました。
ようやく最近「食育」の大事さが言われはじめ,特にその中での「噛む」ことの大切さも认识されて,行政や保健・栄养の専门家,歯科医师,歯科卫生上による启発活动やマスコミなどによる情报提供も盛り上がりをみせてきたようです。
しかし,多くの一般の方々が持つ知识はまだまだの感があり,歯科保健关系者はもっと「口から育まれる全身の健康」に关しての「食育」をテーマにした运动を展开すべきであると思っています。
のために歯科医师は全身の健康科学も栄养关系の知识のどちらも保有していなければならない大きな责务があります。
この豊富な知识の元に歯科医师は,口腔に关连する疾患も予防したり治疗したりしなければならないのです。このように歯科医师は,医科学の中の「口腔医(口腔医师)そして,歯科医师や歯科健康关系者は,『日本人はやはり,日本人本来の「米食・大豆,野菜・鱼介类の食性”を考虑に入れた“地产地消”のこと,日本人独特の伝统食を含めた”本来の食性”そして”良い歯で良く噛めるための食环境”をもう一度考え直してみる必要がある』ということも私は专家したいのです。